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経済波及効果

部門分類について

色々データを集めて「さて部門分類」となったときに, なにを使って部門分類するかというと,「産業連関表で用いる部門分類表及び 部門別概念・定義・範囲」と「日本標準産業分類」を使ってひたすら当てはまる部門を見つけていく.

CLTは集成材製造業?(06/23/2021現在)

まず,産業連関表でCLT(直交集成板)の製造がどの部門に含まれているか明確にされていない. 含まれそうな部門は「合板・集成材」または「その他の木製品(建設用木製品)」あたりか. それぞれの部門の定義

  • 合板・集成材:日本標準産業分類の細分類1212「単板(ベニヤ)製造業」、1222「合板製造業」及び1223「集成材製造業」の生産活動を範囲とする。
  • その他の木製品:日本標準産業分類の細分類1219「その他の特殊製材業」、1221「造作材製造業(建具を除く)」、1224「建築用木製組立材料製造業」、1225「パーティクルボード製造業」、1226「繊維板製造業」、1227「銘木製造業」、1228「床板製造業」、小分類123「木製容器製造業(竹,とうを含む)」及び129「その他の木製品製造業(竹,とうを含む)」の生産活動を範囲とする。

となっている.ちなみに日本標準産業分類にもCLTや直交集成板というワードがどこに入るか明記されていない. それで木材統計調査を見ると「調査対象の範囲にCLT(直交集成材)及び集成材を製造する「集成材製造業」を追加する計画である」 と書かれているので,CLTの生産は集成材製造業に分類されるようだ.ちなみにLVLは「合板製造業」に分類されるらしい. 木質材料も増えてきているので,もっと産業部門は細分化しないと,CLTと集成材,合板とLVLでは結構用途も違うし,製造工程も(似ていると言っても)違うわけだし,この辺はしっかりしないといけませんね. データを集めて次の研究のネタにならないだろうか.

余談:あと上記で(直交集成材)って書いてある部分は引用なのでそのまま書いていますが, JASではCLTの日本語訳は直交集成板なので「「直交集成材」」は間違いですっていうか,CLTにそんな日本語訳はありません. 木材統計調査を行っているのは農林水産省だったと思いますが,公の文章でこういう間違いは恥ずかしいですよ. CLTは集成材でもなければ合板でもない.CLT(直交集成)として一つの木質材料なわけですから. こういう間違いを見つける度に,CLT(とか歴史をたどれば集成材とか)を日本で使えるようにがんばってきた木材屋さんたちをバカにしているようで悲しくなる.

波及効果倍率

波及効果倍率の説明に藤田はいつも
「総合効果に対する直接効果の比で,相対的に経済波及効果を評価できます」
みたいなことを話していたが(説明下手か),こんな感じに言うと すごく分かりやすいんじゃないか(って思った).例えば 木ダム建設の波及効果倍率が1.89だったとしたら
「木ダム建設に1 000円費やすたびに,890円の経済活動が間接的,誘発的に生み出されることになります」
これは分かりやすい(出典:https://doi.org/10.1016/j.scs.2020.102154).

役に立ちそうな

将来推計

今のところ,RAS法による投入係数の推計ができそう.

産業連関分析

商業マージン・国内貨物運賃

2015年表で計算したマージン率のファイルは以下の「margin_k」のシートが全マージン率.
数値をコピーして使うなりしてください.
2015年商業マージン・国内貨物運賃

2020年表で計算したマージン率のファイルは以下の「marginr」のシートから。 「卸売」「小売」部門を統合した「商業」部門は「商業部門に統合」シートから。
「国内需要合計」から求めてます。
2020年商業マージン・国内貨物運賃

商業マージン・国内貨物運賃の求め方

産業連関表を拡張させたりするときに, 集めたデータが購入者価格だったりすることがある(というか購入者価格). そのとき,生産者価格への換算を行うのだけど, そこで各マージンの剥ぎ取りが必要になる. これが曲者で,論文・地域・使う人によってこの剥ぎ取るマージンに違いがある. たとえば
経済効果入門(書籍)や樋熊らの論文秋田県の産業連関表(経済波及効果分析ツール)では 産業連関表 投入表(基本分類)の 家計消費(列コード721100)の値を用いている.
渕上ら古俣らの論文では, 産業連関表 投入表(基本分類)の 国内需要合計(列コード790000)の値を用いている.
三浦ら藤田らの論文では, 運賃・商業マージン表の値を用いている.
北海道の産業連関表(経済波及効果分析ツール) はどの値を用いているのか分からないけど(北海道独自?),国内需要合計に近い.
東京都では, (なぜか産出表を使っているけど)需要合計(列コード830000)の値を使っている.
それぞれでどれくらい違うかというと,木材部門の商業マージン率で見てみると(とりえず,2011年表にあわせる)

だれの なにの 商業マージン率
樋熊ら 家計消費支出 0.353
渕上ら,古俣ら 国内需要合計 0.170
三浦ら,藤田ら 運賃・商業マージン表 0.238
東京都 需要合計 0.170

まあ,結構違うところもあるわけで,結果への影響も大きそうだと思う.
なんでこんなことになっているのかは現在 (1/9/2021) 検証中.

とりあえず.一つずつ根拠を見ていくと,

国内需要合計(列コード790000)の場合

ここから引用

国内流通経費は、行部門別商業マージン額及び国内貨物運賃額について、「国内需要合計」と「輸出計」の比率を用いて、輸出に係るマージン及び運賃分を算出し、これを「普通貿易」、「特殊貿易」及び「直接購入」の比率を用いて案分した後、更に個別の調整を行い、商業マージン額及び国内貨物運賃額とした。

家計消費(列コード721100)の場合

ここから引用

家計消費支出部門をはじめ、最終需要部門の一部(国内総固定資本形成、在庫品純増)の推計には物的接近法の一つであるコモディティ・フロー法(以下、「コモ法」という。)による推計結果を利用した。 コモ法とは、細分化(約2,000品目)された商品ごとの産出額(あるいは出荷額)、輸出入、在庫品増加をもとに、あらかじめ設定した流通経路において、別途推計された流通段階ごとの配分比率、運賃率、マージン率により取引が行われた場合、最終的に各商品がどのように需要[中間需要向け(建設向け、それ以外の部門向け)、最終需要向け(家計消費、総固定資本形成)]されるかを金額ベースで推計する方法である。 コモ法は、産出額(あるいは出荷額)から最終需要等を推計することや、商業マージン、国内貨物運賃がアクティビティとしての商業、運輸業の生産額として別途求められる点で、産業連関表の推計方法と類似している。しかし、推計資料の制約等から、需要項目への配分比率が多くの品目で基準年次の産業連関表の部門別産出比率に固定されている等の問題を抱えている。コモ法では商品を可能な限り細分化することにより、配分比率の固定化による歪みを極力排除している。また、電力、郵便等の一部の商品については、家計調査等により配分比率を最新時点のものに更新する等の対応を行っている。 家計消費支出の生産額推計に当たっては、資料1の平成23年確々報値をベースとして、平成23年表の部門概念に合わせた調整を行った額を一次推計値とした。ただし後述するように部門別の投入額は計数調整の過程で変化していくため、最終的な国内生産額は計数調整を終えた段階での部門別投入額の合計をもって確定した。このように、家計消費支出においては、内生部門のように最終的に投入額及び産出額の合計をそれに合わせて一致させる必要のあるコントロール・トータルズは存在しない。なお、同様の性質を持つ外生部門としては、国内総固定資本形成、在庫純増、営業余剰等がある。

運賃・商業マージン表

これは2015年表が出ていないので,要検討.

これを見ていると,国内需要合計と家計消費支出でどちらを使ったほうが良いか検討する必要がありそう.
例えば,家計消費支出から求める場合,育林部門なんかは家計消費支出が0なので,商業マージンや国内貨物運賃額がかからない算出になっている.
逆に,国内需要合計から求める場合,あたりまえだけど,国内需要合計が0なんてことはないので, マージンが発生する.
なにか見当違いのことを言っているのだろうか.

各都道府県の産業連関表

ioa.txt · 最終更新: by doctor_no_hito
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